NYタイムズに、ちょっと面白いニュースがあった。
ミシガン州のMidlandという町に、サンタクロースのための集中講座があるという。入学してくるのは、サンタ志望者たち、10月中に3日間行われるワークショップで「サンタになるためのノウハウ」を学ぶという。
受講料は、以前受講したことがある人は$350、初めてのひとは$400。それに加えて交通費等もかかるわけだが、毎年多くのひとが集まってくる。今年も100人以上の受講者がいたらしい。
受講内容はバラエティに富んでいて、「サンタとして得た収入の会計管理」「手話教室」「ダンスレッスン」「髭の手入れ方法」など、カンペキなサンタクロースを目指して厳しい特訓(?)が待ち構えている。
興味深いのは、参加者の受講理由だ。ひとにより理由はさまざま、サンタに扮装するのが趣味というひともいるが、アメリカの現在の経済状況を反映して「サンタになってお金を稼ぐ」のが目的のひとも混じっている。サンタとしてのお仕事は、一時間$25~$50程度の収入になる。
NYタイムズのビデオでは、あと数年で定年退職だが持ち家の借金をまだ10万ドルも抱えていて老後がやや不安なので予備収入が欲しいというひとや、完全失業中のためサンタに扮しショッピングモールや老人ホームを回って生活費を作りたいという20代の若い男性が登場する。
学校を回って子供達と会う練習をしたり、テレビ局にいってアドリブで質問の受け答えをする練習をしたり、なかなか本格的なセミナーだ。
サンタに扮していちばん気をつけなくてはならないことは、「守れない約束はしないこと」なのだそう。子供達のなかには「僕のお母さんの癌を治して」とか「私のお父さんの仕事を見つけて」といった願い事をサンタにぶつけてくる子供もいて、安易に約束したりすることはタブー。
また、「僕の周りはみなプレゼントに新しいオモチャをもらったのに、僕はジーンズだけだった・・・」とちょっと傷ついた子供もいたりして、そういうシチュエーションには、「どんなプレゼントでも、君を愛してる人からのプレゼントなんだよ。サンタは君のことが大好きなんだよ」と答えるなど、練習や実践を重ねてサンタ自身も成長してゆく。
これは至極真面目なビジネスなのだ。
このビデオに出てくるサンタ志願の男性達、みなさん、よく言えば恰幅がよく(悪く言えば太って腹が出ててw)衣装を着ずにそのままでも十分サンタクロースのような風貌のひとたちばかり。
多くのひとに、今年も夢を運んでくださいね。
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