2.29.2012

ドキュメンタリー:福島メルトダウン(追記あり)

昨夜全米TV局PBSで放映された、福島メルトダウンについてのドキュメンタリー番組(60分)。

一夜明けてサイトに行ったら、もう全編ネットで視聴可能になっていました。(日本からも観れるそうです。)

映像および関係情報はこちらのページで見たり読んだりできます。
Frontline: Inside Japan's Nuclear Meltdown


Watch Inside Japan's Nuclear Meltdown on PBS. See more from FRONTLINE.

内容的には、当事者である日本人視線でみるとやや表面的で物足りないかもしれませんが、震災後数ヶ月経つとフクシマについての情報がほとんどニュースにあがらなくなったこの国で、アメリカ人一般視聴者向けの番組としては上出来だったのでは、と私は思いました。

信じがたい規模の地震と津波の脅威、それに続く原発事故、その後の政府や関係各所の対応、あらがうすべなく巻き込まれた人々・・・この未曾有の出来事をすべて網羅して深く掘り下げることなど、1時間やそこらの時間でとうていできるはずもなく。

それでも、あらためてあの時のことを思い出し、しょっぱなから涙を抑えられませんでした。

映像27分頃から菅さんが「どこまで事故が拡大するのかについてシミュレーションしてもらっていたが、最悪シナリオでは200キロから250キロ、300キロという範囲まで避難しなければいけない、そうなると首都圏が機能麻痺する、つまり、日本という国そのものが機能麻痺しかねないということ」と言っていて、当時の問題の巨大さを思い起こし、身震いもしました。

そうした極限状態の中、誰も近づきたくない現場で、日本のために尽力しておられた方々に、改めて敬意を表します。

もうすぐ1周年なんですね・・・つい昨日起こったことのようにも感じるし、ずいぶん前に起こったことのようにも感じる。

PBSを知らない方のために付け加えておくと、PBSとは、Public Broadcasting Serviceの略でアメリカの公共放送TV局です。番組制作費の多くを補助金や寄付金で賄っている。マジメで高質な番組が多いことで知られ、このFRONTLINEという毎週火曜日の夜1時間枠のドキュメンタリー番組は同局の看板番組のひとつ。

しかも、放送されたらすぐこうやってネット上でも視聴可能になるというすぐれもの。(NHKもこれくらいやってくれたらなぁ、と思ったよ・・・。)

★★★追記★★★

英国BBC放送が制作し3月1日に英国で放映されたドキュメンタリー『Children of The Tsunami

地震・津波・原発・・・子供たちの目を通して見た被災地の様子。打算も思惑もない、ありのままの気持ちを綴る言葉の連続。ものすごくパワフルです。

(BBC正式サイトではないので、近く消される可能性高いのと、おそらく日本で放映されることはないだろうと想像するので、消される前に観ることおすすめします。ほとんど日本語のままです。)


1 comment:

  1. ものすごく強烈で、そして情報統制がされた日本では絶対に放送されないでしょうね。

    原発周辺の放射線の強度で住める住めないの議論がありますが、実験場になってしまったことには変わりありません。それこそ原発関連の予算を使って住民を他の地域に避難させることは可能だと思います。それなのに、そこに住まざるを得ない子供たちがモルモットになってしまうことに憤りを覚えます。

    福島原発事故というよりは東京電力原発事件と呼んだ方がふさわしい事件から一年が経とうとしていますが、当の東京電力は自身の給料、年金を減らすなど企業努力をしないで電気料金を上げることを要求しており、きっと通るでしょう。政府も昨年末に進行中であるのに事故は終息したものと宣言しています。

    日本に絆はありません。

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