1.26.2015

Zoolander日記 (3) 生い立ちの謎

ズーランダーを渡されたとき、彼の首には、こんなタグが首に巻かれていました。



A1024830
Stray
1-6-15

『Stray』とは「野良犬」ということです。ズーランダーは、NY市の保健所に相当するアニマルコントロール局(ACCNYC)が作成した書類を幾枚か持たされてやってきました。

その書類によると、彼は今年の1月6日にニューヨーク市の中でもお世辞にも治安が良いとは言えないサウスブロンクス(South Bronx)の路上で市の捕獲係に保護され、午前9時半ごろにマンハッタンの収容所に入れられて、A1024830 というID番号をつけられた。

1月6日というと、ニューヨークでは、早朝の気温がマイナス8℃まで下がった日です。

アニマル番号A1024830、名前Zoolander、白と茶のぶち、オス、犬種はアメリカン・ピットブル・テリア、去勢されておらず、持ち込まれたときの体重が48ポンド(22㎏)・・・といったデータが並びます。書類のメモ欄には、顔の左側に古い傷があること、首の回りを怪我しているが恐らくフェンスにチェインで縛り付けられたときにチェインが食い込んで付いたものだろう、などとも書かれています。

つまり、ズーランダーは、正月明けの寒い日に、おそらくそのエリアに住む何者かが、力の強いピットブルでも動けないようにその太い首にチェインを巻きつけ、ゲットーの広場のフェンスに縛り付け、放置して行った犬なのでした。


ズーランダーと一緒に渡されたNY市動物保護課作成の書類


どれぐらいの時間そうして縛られていたのかはわかりませんが、首の回りはうっすら毛がなくなって肌が見えてるほど、何かが食い込んだような跡になっています。顔の横の傷は、どう見ても、噛まれて犬歯が食い込んでできたような傷です。

体重は、私も最初48ポンドと聞かされていたので、うちのプリシラちゃん(40ポンドぐらい)とフランキー(65ポンドぐらい)の中間ぐらいの大きさの犬なんだろうと思っていたのです。しかし到着してみると、プリシラちゃんより軽くひとまわりは大きい逞しい犬で、体重もフランキーと同じぐらいはある感じでした。

捕獲されたとき、プリシラちゃんよりちょっと重いぐらいまで痩せていたズーランダー。保健所に収容されてからは、一週間以上、安い餌でも毎日食事と水が与えられ、それで体重が少し増えたのでしょう。それでも脇腹の肋骨がほんの少し浮いて見えていました。

そして、もうひとつ気づいたことがあります。それは、ズーランダーは推定4歳の成犬なのに、足の裏の肉球が、生後数週間目のパピーのように、つるつるスベスベで柔らかかったのです。

まるで、歩いたことがないように―。

毎日私と何キロも散歩する我が家のワンコ達の肉球は、ガサガサと固くなっています。ズーランダーを連れて家の周りを少しの距離ゆっくり散歩した最初の日、ズーの肉球はすりむけて、血が滲んでしまいました。

顔にハッキリと噛み傷とわかる傷を持ち、そんなに痩せて、屋外を散歩させてもらっていた風でもなく、去勢もされず、最後は不要になって、厳寒の中フェンスにチェインでくくりつけられ捨てられていたピットブル。

ズー・・・あなたは、これまで、誰と、どんな生活を送っていたの・・・?

(続く) 



部屋の一角に置かれたデイベッド(Day Bed)がお気に入り。



No comments:

Post a Comment