1.23.2013

髪を切った

2年近く延ばし続けた髪の毛を、ついに切りました。

背中の真ん中を越すぐらいまで伸ばしていました。

私の髪は東洋人にありがちの、量が多くしかも重たい髪質で、 切る寸前ごろには髪の重みで毎朝のシャンプーの後に腕がだるくなるほどでした。

まっすぐで腰が強く黒光りのする髪をしていたので、明治生まれだった祖母は生前、「日本髪を結うのに適した髪だ」とよく言ってました。

アメリカに来る前、腰に届くぐらい長い髪をしていた私は、こちらに来た後も数年はそのまま長く伸ばしていました。まっすぐで癖がなく、グシャグシャにしても絡まらず手グシで戻り、湿度が高くなってもペシャンコにならない東洋人の黒髪にあこがれる人は少なくなく、白人・黒人問わずアメリカ人のガールフレンド達によく羨ましがられました。

いちどなど、会社帰りにオフィスビルのエレベーターに乗っていたら、すぐ背後に立っていた知らない黒人女性にいきなり髪を引っ張られ、おどろいて振り向くと、「ごめんなさい、あんまりまっすぐだから、触ってみたくなったの」と謝られたことがあります。

子供のいるパーティなどに顔を出すと、そこにいる小学生ぐらいのアメリカ人の女の子たちに「触ってもいい?」と聞かれ、しまいには、「美容師さんゴッコ」のモデルにされて、彼女たちが髪を梳かしたり編んだりしてる間、バービー人形のようにジッとしてなくてはならない、なんてこともよくありました。

その後だんだんと長い髪の手入れがうっとおしくなり、ずいぶん短いショートにしてみたり、ボブにしてみたり、肩より長くすることがほとんどなくなってしばらく経っていました。

その私が「髪を伸ばそう」と思ったのは、ニューヨークに住む親しい日本人の友人が、長く長く伸ばしていた髪をある日ばっさり切ってきて、がん治療の放射線で髪を失った子供のために寄付した、という話を聞いたからです。

アメリカには、がん患者のために健康な髪を集めてかつらを作り寄付する取り組みをしている団体が複数あって、私の友人は、Locks of Love というNPOに送った、とのことでした。

友人からこの話を聞くまで、こんな取り組みがあることを、私は知りませんでした。

自分でもできそうだなと思い調べてみると、このNPOの他にも、髪の毛の寄付を募るプロジェクトが多くあることがわかりました。ただし、髪の毛を誰かのために役立ててもらうには、寄付する髪の長さが最低でも8インチ(20cm)から10インチ(25cm)はなくてはならない、ということもわかり、伸ばし始めたわけです。

ひたすら延ばし続け、ようやく12インチ超える長さになったので、美容院で切ってもらいました。

切ってくれた美容師さんは、「白人のお客さんもときどき寄付したいといって切りにくるけど、あなたの髪は白人さんの普通の量の3倍はあるわね」と言ってました。

3人分!イェーイ!(笑)

(太陽光の関係か、写真ではずいぶん赤く見えますが、実際にはもっとずっと暗い濃い焦げ茶に近い色です。)




生まれつき髪の量が多いおかげで束が3つにもなったので、一番長い房をLocks of Love (←小児がんにかかったけど経済的に豊かではない子供へかつらを無償でプレゼント)へ、もう少し短い二房をヘアケア製品でおなじみのパンテーン社がやっている、Pantene Beautiful Lengths (←がんの闘病を続ける女性にかつらをプレゼント)に送ることに決めました。

他にもいろいろ団体があります。ご興味ある方は、こちらのページへ。
Donating Your Hair to Cancer Patients  





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