1.14.2012

Dogs Against Romney

アイオワでの共和党員集会を皮切りに、共和党の大統領選最終候補を指名する予備選挙が本格化してきました。目下、ミット・ロムニーがフロントランナーだけど、私は個人的には彼のことがどうも好きになれないんだよなぁ。私は、今大統領選挙でもオバマが勝ってくれることを願っています。

ところで、このミット・ロムニーなんだけれど、実は彼には【わんこ】にまつわる実に不愉快なエピソードがあるのであります。

1983年の出来事なので、もう30年近く前の古い話なんだけど、夫婦と子ども5人でマサチューセッツ州からカナダに家族旅行に出かけた際、ロムニー家が飼っていたわんこ(アイリッシュセッター)をケージに入れて車の屋根にくくりつけ、その状態でボストンからオンタリオまで12時間、高速道路をぶっ飛ばした、というんだな。

アメリカの高速道路を時速110キロ超で走行中、車の屋根の上のわんこは、当然のことながら、かなりのストレスを感じたらしくて、途中でケージの中で下痢しちゃうほどだった。走行中に、ロムニーの息子が「パパ!屋根からなんか茶色いものが窓に垂れてきてるよ!」と言って、わんこの具合が悪いことがわかったんだが、途中に寄った給油所でホースを借りて汚れた車とわんこを洗い、具合の悪いわんこをふたたび屋根に乗せ直して、さらに何時間も走り続けた。

2007年にロムニーの地元のボストン・グローブ紙がこのエピソードを記事にした。この話を初めて教えてもらったとき、わたしの眉間に、深さ1センチぐらいのシワが寄ったのは言うまでもない。

わたしもニューヨークからメイン州の田舎に行くとき、わんこ達と一緒に10時間以上ハイウェイ走りますけどね、屋根の上に乗せて吹きさらしで時速100キロでぶっ飛ばすなんて、想像さえできませんよ。

で、同じ共和党候補の政敵ニュート・ギングリッジが先日、ロムニー攻撃のネガティブ・キャンペーンでこの古いエピソードを取り上げたのが発端となり、いまふたたび、急に「ロムニーの大統領としての資質」を問う話として米メディアで再浮上してるわけ。

(政敵ギングリッジの支持団体が作ったミット攻撃ビデオ↓↓↓)


このビデオの1分目あたりから、その「問題のわんこ事件」のエピソードが出てくるんだが、Foxニュースのアンカーのクリス・ウォレスに「私にもイエローラブがいるけど、犬を車の屋根に乗せるというのはどういうことか」と聞かれて、「いや、あれはね、屋根に乗せたといっても、すきま風が入ってこないようにピッタリ密閉(completely air-tight)されていたし、なによりボクの犬はあの中に入る方が好きで自分から入りたがったんだよ、車内には子ども5人乗ってたから屋根の上のほうが快適だったはずだよ、アハアハハハ・・・」

「ピッタリ密閉」された容器なんかにワンコ閉じ込めたら、窒息します、っつーの!!!

こころなしか顔が引きつっているロムニーだが、リベラル寄りのMSNBC局の人気ニュース番組『The Rachel Maddow Show』でも数日前に取り上げられた。



ここで問題にされてるのは、「家族のはずの飼い犬が具合悪いのに、冷酷にホースで洗い流して何事もなかったかのように走行続けるなんて、人間らしい温かみのないミットらしい」というものである。

こんな古いしかも犬のエピソードで、大統領の資質をどうのこうの言うなんて・・・とお思いの方もいるでしょう。

でもね、アメリカの大統領選というのは、昔のちょっとした話を持ちだしてきては「大統領になるには、人格に問題があるのではないか」と言う攻撃が飛び交うのは、毎度のことなんである。

たとえば、クリントンが一期目の大統領選に出たとき、彼はベトナム戦争中に徴兵回避目的でイギリス留学してマリワナ吸ってた、というエピソードで大騒ぎになり、クリントンが苦し紛れに

「イギリスで一、二度マリワナは試してみたけど、好きになれなかったし、深く吸い込んでない」 "When I was in England, I experimented with marijuana a time or two, and I didn't like it. I didn't inhale and never tried it again."

と言い訳した。この「深く吸い込んでない(I didn't inhale)」の部分で、「マリワナを吸っても深く吸い込まなければ吸ったことにはならないのか」とまた論議をよび、ジョークにもなった。

米大統領選というのは、こういう、「えっ・・・??」というような話がライバル陣営から必ず出てきて、立候補者の「資質」とか「人格」に疑問符をつけて攻撃するのが常なんである。

さらに、この話をわざわざ持ちだしてミット攻撃したニュート・ギングリッジの陣営のほうは、突然、『Pets with Newt 2012』なるサイトを作って「動物とたわむれるニュート」や「ニュート支持のペットたち」の写真を一杯載せて、「わんこ好きで優しいボクちゃん」をアピールし始めたというんだから、トホホのホ。



ったく、この人達、なにやってんだか・・・

しかしね、わんこラブラブのわたくしとしましては、ロムニーのこのエピソードを軽く受け流すことなんて、無論できませんわよ。(屋根の上で下痢しちゃったなんて・・・号泣・・・)

さっそく、草の根のポリティカルグループが「わんこを虐待するようなヤツを大統領にするな!」と、『Dogs Against Romney』というFacebookのページ作って、こんなオフィシャルTシャツも売り出してます(笑)。


このTシャツ、可愛いな。このグループ、色違いや他にもいろいろグッズを売ってるので、興味ある方はこのページへ。(オバマを勝たせるためにも、このシャツ買って犬の散歩しようかしら、わたし・・・w)


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